
2025/05/15
地場“スーパーマーケット”考察
先日、群馬・栃木に4店舗を構えるスーパーチェーン「スーパーアイザワ」が大盛況、というニュースを見ました。特に第三日曜日に行う「アイザワ祭り」は駐車場も販売スペースにして大盛り上がりのようです。
このニュースで驚いたのが、関東の各地からこのスーパーの館林店(群馬県)を目指していると客がインタビューで答えていたことです。群馬は当然ながら、栃木と埼玉と千葉から来ていると言う人もいました。館林は珍しい栃木・埼玉・茨城に極めて近いエリアですから栃木と埼玉の人は近隣の人かもしれませんが、千葉からというのは遠すぎる。それでも来るというのは大したものです。
ここを目指してわざわざ千葉から来たわけではなく、何か遠出の帰りに寄っただけなのかもしれませんが、それにしても、アイザワのお買い得価格は関東各地に轟いているというのは驚きです。
各地には「名物道の駅」的な場所があり、野菜が安い、肉が安い、魚が安い、とにかく品物が豊富、などといった特徴が知られていることが多いです。全国展開する巨大チェーンはさておき、道の駅はもとより、小規模チェーン、はたまた単独店であってもアイザワのような知名度を獲得することは可能だとこの事例は教えてくれています。
名物のラーメン店には遠くからでも人々はやってきますが、さすがにスーパー・道の駅ほどの集客力はないし、使う金額もそれほど多くはない。こうしたスーパー・道の駅は一つの名物としてPRの題材にしても良いのではないでしょうか。
それこそ「特色あるスーパーの街・〇〇」といった形で、その街のスーパーそれぞれの特徴や推し、「〇〇祭り」の紹介をする。もちろん激安スーパーばかりではないため、参加を渋るところはあるでしょうが、そういったところにも「声はおかけしましたので」という言い訳は立ちます。
今年初頭、福岡県に複数店舗を持つスーパーチェーンへ行ったのですが、ここは全般的に安いほか、お惣菜が非常に充実しておりそれを求める客が多かったです。あとは、「DJ店員」のような中年女性がピンマイクを身に着けてずっと宣伝をするほか、個別の客に案内をするのです。
「はいはい、そこのお兄さん、そのエノキペペロンチーノ、ウチの名物で評判ですよ。パスタに使うもよし、味変に使うもよしですよ」なんて言われるものだからつい買ってしまいました。
あと、道の駅では「ここは柑橘類がウマいんですよ」や「ここ、和菓子がウマいんですよ」みたいな言われ方をして、知人から勧められた場所もあります。さらにはクワガタが好きだと言ったら「唐津・厳木(きゅうらぎ)の道の駅でオオクワガタ売ってますよ」なんて教えてもらい、幼虫を2匹購入しました。2025年5月現在、蛹になる直前の状況を確認できています。
恐らく世の中には「やたらとアジフライがウマい佐世保の道の駅」「トロ箱で根魚を1箱1000円で売るスーパー」など様々な特色あるスーパー・道の駅があることでしょう。テーマパークは高いし、行列も激しい。だったらそこまでお金がかからず、自宅で食べれるという実利を持つスーパー・道の駅を娯楽化する方向の地方創生を考えるのも良いかもしれませんね。