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戦う歴史学者平山 優

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2022/05/25

変人のススメ

中川淳一郎

中川淳一郎

地方新聞に提案したいのですが、各地の新聞で「地元の変人」というコーナーを作ってはいかがでしょうか。ここで言う「変人」とは、「よくある発想・ルーティンをこなすだけでなく、色々と新しいことに取り組む人」を指します。

 

私が佐賀県に在住してから、こうした「変人」と多数会ってきたのですが、こうした人々こそ地元を変える力を持っていると日々感じています。なんだかんだいって、地方ってキチンとした「まともな人」が多数派で、「変人」は「あの人はね……」と言われがち。

 

しかしながら、こうした変人と多数触れあってくると、「この人、この地域を活性化させる力持ってるんじゃないの?」なんて思うことが頻繁にあるのです。「変人率」なる指標が存在する場合、都会の方がその割合は高いかもしれません。そこはなんとなく分かる。

 

しかし、とにかく地方都市の変人は目立つんですよ! 目立つからこそ、その人が地元では煙たがられていることなどを把握しており、開き直って「変人道」を邁進し、ご本人とその周辺の人はそこそこ幸せな人生を送ることができている。

 

東京時代、変人は多かったですが、とにかく全体としての人数が多かったため、変人も隠れ蓑を持っているような状況でした。しかし、地方都市の人口が少ない状況だと、変人は隠れることができない。

 

そうした状況なだけに、地方の変人は「もう、オレが変人であることはバレてるから仕方ない」と開き直り、変人道を邁進し、変人化が加速するのです。これが、時々、地方出身者のベンチャー社長が出てきたり、偉人が輩出される理由ではないでしょうか。

 

都会の変人は、常に自分の変人っぷりを特に取沙汰されません。その変人度合が「普通のこと」になっているからです。しかし、地方の場合は、変人率が低いこともあるのでしょう、その変人っぷりが際立ち、目立ち、時に叩かれてしまう。

 

その時にその人がその地域に対して絶望することがあります。

 

実際、佐賀でもそのような人に会ってきました。その人は、地元のために、と思って動いてきたのに、「余計なことをしやがって」「都会の論理をこちらに押し付けるな!」といった批判をされてしまうそうです。この考えこそ、地方の衰退をもたらしているということを分からないと、「地方活性化」なんて永遠に無理です。

 

その時、問題になるのは出身大学も一つだそうです。都会の有名大学出身者だと、「オレ達を馬鹿にしているのか」などと勝手に思われてしまうこともあるそうです。だからこそ、地元の人と会う時は、学歴はひた隠しにすると言っていました。

 

これって本当に無駄な話ですよね。その学歴があるからこそ、貢献できるものがあるかもしれないのに、「地元ではマイナーだからそこの部分を出すんじゃない!」と批判されるとは……。本当に信じられませんが、こんな状況さえまかり通っている状況、さっさと改善すべきでしょう。

 

冒頭で述べた「地元の変人」ですが、別に学歴は関係ありません。とにかく変わったことを矢っている人を紹介すべきですし、その中には、学歴の高い人がいてもいい。それでいいのではないでしょうか。

 

中川淳一郎

1973年東京都立川市出身。1997年に博報堂に入社し、CC局(現PR局)に配属される。2001年に退社し無職を経てフリーライターに。以後、雑誌テレビブロスの編集を経て2006年からネットニュース編集者に。2020年8月31日をもって「セミリタイア」をし、11月1日から佐賀県唐津市に引っ越す。2023年2月いったん唐津市を離れ、現在タイ・バンコクにてひっそりと暮らしている。

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