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2025/01/14

野菜不足から気づく、地方の優位性

中川淳一郎

キャベツが1個538円だ! 1090円だ! みたいな悲鳴が全国各地から上がっている1月上旬ですが、地方民からはX(旧Twitter)に300円以下のキャベツ写真が多数投稿されています。かくいう佐賀県唐津市の私も200円でキャベツを買いました。

 

都会のトンカツ店やお好み焼き店はさぞ大変なことと思いますが、地方都市は一つのウリとして、「生鮮食品の価格がそれなりに安定している」をアピールするのも良いかもしれませんね。何しろ2024年秋、「令和の米騒動」が勃発し、都会のスーパーの棚からは米が消えましたが、私はとんとそのような光景を見ませんでした。

 

むしろ、農家の知り合いに事前に頼んでいた米を安く買えるほどだったのです。結局農作物も魚介類も取れ高についてはその夏の天候や気温が影響するわけでして、いつ価格が高騰するかは分からないものです。

 

そこで、全国各地に支社があるような会社の若手従業員が住みたくなるような農作物・魚介類の価格を各自治体は毎週発表するというのはいかがでしょうか。若い頃はとかく都会にいたがるものかもしれませんが、給料が安い時ほど地方都市に住んで生活費を抑え、待機児童問題等も存在しない地方で子育てをするのが良い、と考える人が増えてもおかしくありません。

 

若い頃は都会への憧れがあるため、地方勤務を拒否しがちかもしれませんが、お金がない時ほど地方の方が利点があります。皆が嫌がる時に地方に住んでしまい、将来は本社で出世レースに参戦する、というやり方もあるのでは、と今となっては思います。

 

どうせ誰かが地方には行かなくてはいけないんですよ。だったら若い内に手を挙げ、「彼(彼女)は若い内に人が嫌がることをやってくれた。いずれは報いたい」なんて人事がいずれ思うかもしれません。

 

それに、地方都市のいいところは、子どもを地域で大事にする文化がある点です。大人が声をかけたら通報する、とかそういったことはなく、子どもを皆で育て、親が忙しかったら時間のある人がサポートをする、といった体制があります。

 

都会で誰に頼ることもできない子育てよりもかなり子育てはしやすいのでは。それに加え、冒頭でも述べたように農作物・魚介類が安く手に入るだけに、貯金がしやすい面もあるのでは、と思います。

 

何しろ、普通に家で仕事をしていたら知人から突然電話があり、「白菜と大根を大量にもらったんですけど、いりますか?」なんて言われる。いやいや、当たり前ですよ。野菜はいくらあってもありがたいです! と返事をすると彼はすぐにやってきてくれ、軽トラックに乗せられた野菜をいくらでも取って構わない、と言う。

 

食料調達というものは、人生において重要度はかなり高いもの。その点において心配事が減ると仕事にも専念できますし、健やかな生活を送れるほか、育ち盛りのお子さんがいる場合は、健やかな成長も期待できる。

 

こうしたことからも、「若い時は地方に住む」という選択肢に加え、「いずれガンガン稼ぐのなら都会に行く」というスタイルの生き方を提唱する会社があってもいいのではないかな、と思いました。人生を変えるのは若い時の方がラクですよ~。40歳過ぎてから新しい土地で過ごすよりも20・30代の若い時の方がいいのでは、なんてことも今は思っています。

 

中川淳一郎

1973年東京都立川市出身。1997年に博報堂に入社し、CC局(現PR局)に配属される。2001年に退社し無職を経てフリーライターに。以後、雑誌テレビブロスの編集を経て2006年からネットニュース編集者に。2020年8月31日をもって「セミリタイア」をし、11月1日から佐賀県唐津市に引っ越す。2023年2月いったん唐津市を離れ、現在タイ・バンコクにてひっそりと暮らしている。

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