2025/09/03
花火大会の存続を考えてみる
2020年以降、全国各地で花火大会が次々と中止になっています。コロナが理由だったのですが、2023年5月8日の五類化以降もやめる大会がある。天候の問題で数日前に中止を決める大会はあるものの、十分な数のスポンサーが集まらなかった、などの理由で中止になる例もあります。
https://hanabi.walkerplus.com/list/cancelled/
Walkerplusの「中止・非開催が決定した花火大会【全国】」を見ると、27件がヒットします。その中でも昨年は16万5000人を動員し、1万発を打ち上げた「あげお花火大会」(埼玉県上尾市)も中止となりました。荒川堤防の工事が理由とのことで、再開は4~5年後と発表されています。
これは「中止」ですが、「非開催」というものもあり、2020~2022年まで中止にしたところ、案外運営をしない方が利点があるということに気付いた運営者もそれなりにいたのかもしれません。そりゃそうですよね。スポンサー集めに奔走しないでいいですし、宣伝活動も「今年は中止」と公式HPやSNSで発表するだけでいい。当日の大混雑への対応は難儀するし、ゴミの片付け、交通整理も人手がかかる。
花火大会をめぐっては、2001年7月の「明石歩道橋事故」が有名なところです。歩道橋が大混雑となり、子供9人を含む計11人が死亡、183人が重軽傷を負いました。とんでもない人数が花火大会のルートである歩道橋に殺到したため、人々が圧迫されたのです。
この事故では兵庫県警の警備体制や運営側の見込みの甘さなどが批判されましたが、人気のイベントであればあるほど運営者にとっては薄氷を踏むかのような時間が続くわけです。
だからといって花火大会のような大型イベントをやらないで地域おこしはいかにするか? けっこう難しいのでは。私の知人は毎年新潟県長岡市の花火大会へ行きます。理由は15年程前に初めて見て感動したから。以来、毎年必ず長岡に2泊し、お気に入りの飲食店で大将と再会するのを楽しみにしているといいます。
こうしたきっかけを花火大会を含めた大規模イベントは提供してくれるわけで、培った歴史を捨てるのももったいないな、と思うのです。もちろん、私自身運営者ではないから勝手なことを言っているだけではありますが。
そうした意味では岩手県奥州市の蘇民祭(そみんさい)が2024年をもって1000年以上の歴史に終止符を打った件も勝手に私は寂しがっています。終了理由は、参加者の高齢化や担い手不足だそうです。そう言われてしまうと部外者は「残念ですね」と言うしかなくなってしまいました。
この蘇民祭の知名度が全国区になったのは、2008年のこと。JR東日本の駅構内に貼っていたポスターに対する抗議が寄せられたことにあります。この祭りはふんどし一丁の男性が参加する神事ですが、メインビジュアルとなるのは、空を仰ぎ見るヒゲ面の上半身裸の男性。この男性の濃い胸毛が不快感を与えるセクハラだと指摘されたのです。そしてJRはポスターを撤去したのですが、これに反応したのがネットの声です。曰く「セクハラだという声こそ、男性に対する誹謗中傷」「長年続く祭りに抗議するとは無粋」「むしろ男性差別だ」などと祭りと男性を擁護する声が多数。クレーム内容とJRの撤去判断がむしろ批判される形となりました。
その後、このポスターのモデルとなる男性はメディアの取材を受けるなど、すっかり人気者になりました。あの騒動によりかえってネット上では圧倒的に知名度が上昇した面があります。
歴史あるものが終わるのは、部外者からすれば悲しいこと。だったら、普段からその祭や花火大会に寄付をするなどし、存続に協力する方が自分にとってもいい。ですから運営者も困っていることはネット上や記者会見で声をあげるべきでしょう。全国のファンが助けてくれるかもしれませんから。祭りの担い手の高齢化や天候はいかんともしがたいですが、準備段階の費用については、なんとかできるかもしれません。



