2025/09/05
オーバーツーリズムについて考察する
昨今オーバーツーリズムの話題が取り沙汰されています。日本語に訳すと「観光公害」。外国人観光客が主な対象ですが、京都を筆頭に、冬のスキー場などに観光客が殺到する状況を表します。そうなると渋滞になったり、バスが大混雑したり、とにかく行列になったり、祗園の舞妓さんに失礼な行為をする、といった話になる。さらには物価も高騰し、元々の住民やその土地を愛していた日本人の観光客離れをもたらすのですね。
日本特有の話ではなく、バルセロナでは、「Tourists, go home」と書かれた横断幕が登場したほどです。あとはイタリアのヴェネチアもそうですし、タイのバンコクやアンコールワットを有するカンボジアのシェムリアップもそうです。
私自身、10年前までは京都に年2回は行っていました。しかしもう行く気はない。2023年に京都に行ったのですが、コロナ明けでとんでもない数の観光客がいた(私もです。スイマセン)。バスに乗るよりも歩いた方が早い、といった状況もあり、河原町通りはとにかく人だらけで満員電車のよう。写真で見たのですが、清水寺に至る坂も人だらけ。
友人と会うために行ったため、1泊2日で訪れた店では快適だったのですが、そこに至るまでの大混雑が「もう京都には行けないな……」と思わせました。そして、2020年まで住んでいた渋谷ですが、とにかく観光客が多過ぎる。スクランブル交差点の大混雑がインバウンド客にとっては娯楽のようで、多くの人が動画を撮っている。「いや、見世物じゃないんだよ、これは本来我々にとって日常として渡らなくてはいけない横断歩道だったんだよ……」なんてことも思います。
かくして各地でオーバーツーリズムが発生しているわけですが、そうなると「私達の街はオーバーツーリズムはありません」を謳う地域創生もアリなのではないでしょうか。適度な観光客を誘致する術として、オーバーツーリズムが発生している街を避ける人を獲得できるかもしれません。
そのPRでオーバーツーリズムになれば元も子もありませんが、観光客が行きやすいゴールデンルートと離れたところにある街は多分オーバーツーリズムにならないでしょう。ゴールデンルートは、東京←→博多の新幹線のルート停車駅と、その周辺。外国人向けの激安周遊券があるため、彼らは激安価格でこのルートを楽しむことができるのです。
昨今富山や金沢も人気ですが、四国・東北・福岡を除く九州は「我が街はオーバーツーリズムとは無関係」を謳うことにより、客を呼び寄せることが可能になるかもしれません。旅の思い出が「行列だらけ」「人を見るだけだった」といったことに不満を抱く日本人も案外多くなっているのでは。
現実的に私も東京は仕事以外では行きたくありませんし、京都・大阪・広島・福岡もこの混雑状況が落ち着くまでは進んで行きたくはありません。日本は世界屈指の衛生状況とサービスの高品質さがあるのに安い! これが昨今のオーバーツーリズムに繋がっていると思います。
そんな中、沖縄で開業したテーマパーク「ジャングリア」は、外国人向け価格と日本人向け価格に差をつける「二重価格」を導入。日本人は入場料6930円ですが、外国人は8800円です。これも「衰退途上国」である我が国のあるべき姿となったことは残念なことですが、オーバーツーリズム対策としてはやらざるを得なかったのでしょう。



