2022/03/08
情報発信について考える
先日、唐津のローカルテレビ番組を見ていたのですが、峰達郎・唐津市長がこんなことを言っていました。要約するとこんな感じです。
「唐津は海の幸山の幸、様々な観光資源などなんでもあるが、発信力が弱いためその良さを世間に伝えきれていない」
今回はこの「発信力」を考えてみます。基本的に、「発信」とは何か広報素材がある場合【1】メディアによる報道【2】自身のHPやSNSによる発信【3】その地を訪れた人々によるSNS発信【4】住人によるSNS発信――この4つが考えられるでしょう。
この「発信」は地方創生の重大なテーマなので今回は【1】メディアによる報道に絞って書いてみます。今後順次【2】【3】【4】も書きますね。地方の地味な県が全国ニュースになる時って、凶悪事件が発生したり、大災害に見舞われた時などが多いです。あとは、全国的な話題に何らかの関連があった時。たとえば、愛知県の大村秀章知事知事のリコール騒動の件で、署名した人物の筆跡が同じだったことが確認されました。その際、愛知県の業者により、佐賀市内のバイトが動員されたことが報じられました。私がいる佐賀県についてはこの件でクローズアップされたり、殺人事件や豪雨で取り上げられる程度です。
だからこそ各自治体の首長はいかにして全国から注目されるかを考えるのですが、この2年間利用されたのは「コロナ対策」でした。「山梨モデル」「大阪モデル」「〇〇県知事、まん延防止を政府に要求」「県外の人は来るな、と〇〇県知事発言」などのニュースを皆さんも見たことでしょう。
これにより全国ニュースになるわけで「〇〇県は安全な県だ」や「〇〇県はやり過ぎだ」と両方の感想がもたれるわけです。大多数は「安全」と感じ、好意的に捉えるため、対策強化を各首長は言い続けてきた。それが「コロナが明けたら来てくださいね」のメッセージになっているのです。
今の時代、完全に「コロナ対策情報発信合戦」をすることが各自治体がいかに目立つかの勝負になっています。コロナ騒動が終わらぬ限りこの傾向は続くでしょうが、今情報発信力を高めるために首長が決断するのはコレです。
全国に先駆けて、イベントの規制ナシ、完全2019年以前同様の状態での開催を宣言する
8月に行われる予定だった長良川全国花火大会は、2021年10月にすでに中止を発表。日本有数の巨大花火大会なだけに慎重を期したのでしょうが、これを主催者がどう捉え、発表するか、でしょう。
私の地元・東京都立川市で毎年7月に行われる「立川まつり国営昭和記念公園花火大会」というものがありますが、私が担当者だったら「全国で一番早く花火大会の完全開催を宣言する」と腹をくくるよう、最終決断者に伝えます。
ここで重要なのが2021年9月~12月の陽性者のデータです。8月の第5波と1月の第6波の間の「底」の期間にあたります。その間に行われた他の大規模イベントを数々挙げ、「それでも陽性者は増えなかった」をキチンと明言する。
さらに、次の「第7波」が6月~7月に来ると想定し、実施を5月に変更してしまう。そうすれば「あの花火大会のせいで陽性者が増えた」と言われないで済む。
広報の基本は【1】とにかく素晴らしいネタを出す【2】現在の世間の空気感に乗った施策を発表する、の2点です。今回花火大会の例を出しましたが、昨年7月、唐津では10分だけ佐賀新聞社と唐津市主催の「九州花火大会」が行われました。あの頃は「大規模イベントをやったと知られたら非常識扱いされる」といった空気感だっただけに、あまり積極的に広報できない状態でした。
しかし、今となっては諸外国が「コロナ規制終了!」を続々と宣言しているだけに、追随の空気は見え始めているのでは。政府は慎重姿勢を崩さないだけに、ここは各自治体が「いかにして他を出し抜くか」の勝負に入ってきたと言えましょう。初期の頃は批判されるかと思いますが、後になると「英断だった!」となることは間違いない。さすれば、歴史に名を残すこととなり、夏以降の観光客増が期待できます。