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戦う歴史学者平山 優

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2022/07/25

宿がとれない

中川淳一郎

中川淳一郎佐賀唐津

今回考えたのは「人口が少ないにもかかわらず、ホテルの予約が意外と困難な街」についてです。まさに、私が拠点とする佐賀県唐津市がソレにあたります。人口11万4000人。唐津の中心部は当然のことながら、呼子や伊万里・有田といった観光地、さらには福岡市も近いため、ホテルはそこそこ充実していますが、なかなか部屋が取りにくい。

 

一体なぜなのかをこの2年ほど見てきたのですが、「新市役所の建設作業員が多数泊まっている」「隣町である玄海町の玄海原発の作業員が多く泊まっている」ことが大きな理由でした。知り合いがホテルにチェックインする際、フロントで私が待っていることは多かったのですが、とにかくホテルにいる客の多くが男性なんですよ。結局、作業員需要が唐津のホテルにはあったのだな、ということを今は感じています。

 

当然11月2日~4日まで行われるユネスコ世界遺産「唐津くんち」の時も多くの観光客が訪れこの時も部屋は取りづらい。これは普通の観光地ではよく分かる現象です。

 

しかし、唐津の場合「普段から取りづらいんですよ……」という声が聞かれることが多かったです。それは、前述の通り、作業に従事する人々が泊まることが多いため、ホテルの需要が高いのですね。

 

唐津の駅近くを見ると、案外空いている土地は多いです。ホテルの運営者や、AirBを運営する方々はこうした「作業員が多く、さらには観光資源もある街」を選んでその街に進出するのも手かもしれません。

 

正直、私がガチガチのビジネスマンだったら、唐津駅から徒歩12分圏内で安い土地があったらそこにホテルを建設すると思います。何しろ玄海原発があるわけですし、作業員は常にいる。

 

ここでは一切原発が存在することの意義については論じたくありません。あくまでも、こうした作業員が多数訪れるような街において、ホテル需要というものはあるのです。しかし、そういった方々はホテルにとっては、常に部屋を借りてくれる上顧客なわけであり、安定収入を稼げる存在です。

 

しかし、唐津くんちもはじめ、「夏はマリンスポーツがしたい」といったニーズは唐津にもあるわけで、そんな時に「宿が取れない!」という悲鳴を何度聞いたことか。となれば、地元の近くにそこそこ固定的な宿泊ニーズがあるような土地の関係者は、ホテルの利用状況を今一度綿密に分析する必要があります。

 

唐津についていえば、「えっ? もっと利便性のいいホテル、ありませんでしたか?」と聞くのですが「いやぁ、ここしか空いていませんでした……」というやり取りが多いです。これは、その街の宿泊ニーズとホテルの部屋数のミスマッチがあるのです。

 

これからインバウンドの観光客も増えることでしょう。地域の活性化を目指す方々は、「普段から地元・その近くの産業に従事する人々のホテル需要」を明確に把握したうえで、ホテル誘致や、自ら運営することを検討することが大事だと思います。正直、私は仕事をしたいな、という気持ちがあるのであれば、唐津でホテル一棟建てたいと思ってます。
 

中川淳一郎

1973年東京都立川市出身。1997年に博報堂に入社し、CC局(現PR局)に配属される。2001年に退社し無職を経てフリーライターに。以後、雑誌テレビブロスの編集を経て2006年からネットニュース編集者に。2020年8月31日をもって「セミリタイア」をし、11月1日から佐賀県唐津市に引っ越す。2023年2月いったん唐津市を離れ、現在タイ・バンコクにてひっそりと暮らしている。

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