2022/08/23
アクセスについて考える
先日、ツイッターの知り合いから「中川さんがいる唐津(佐賀県)へ行きたいのですが、私が住む高知からだと6時間40分もかかるんですね…」といった意見が来ました。しかし、高知竜馬空港から福岡空港までは約50分、そこから唐津までは1時間半です。となれば、自宅から空港までも含めて約3時間で唐津まで来られます。
そのことを伝えたら「電車で行くことを考えていました。その手がありましたね!」といった返事が来て、恐らく唐津に来てくれるはずです。観光客を呼びたい各地はアクセスの良さをいかに伝える。それが大事です。あとは、唐津に来るには佐賀空港を利用し、そこから佐賀駅まで行き、電車に乗る必要があると思う方が多いのですが、「福岡空港から電車・高速バスで直接来ることができますよ」と言うと「えっ、そうなんですか!」と言われ、実際に来た時は「意外と近かったです」と言われることばかりです。
そういった意味で、地方創生においてアクセスの良さのアピールは大切です。元々、東京在住だった私は富山市と金沢市は観光地としての選択肢ではありませんでした。しかし、2015年の北陸新幹線開通以降、観光先としての選択肢となり、何度か行くことになりました。さて、東京在住時代はなかなか山陰地方には行き辛かった。しかし、鉄道や飛行機の達人に聞けば、行きやすい方法を教えてくれるでしょう。たとえば関西で一泊してその後バスに乗る、といった方法もあるかもしれません。
一方、アクセスが悪くても「それはそれ」という考え方もできます。たとえば、東京都の離島・青ヶ島は羽田空港から飛行機ないしは浜松町から船で八丈島まで行きます。そして、そこからヘリコプターを予約し、青ヶ島に行きます。風が強すぎたらヘリコプターは飛べず、行けないことになります。台風の時期などは八丈島か青ヶ島で立ち往生になります。
私の知人は青ヶ島へ取材をしに行ったのですが、本来帰る日程に大雨が降り、帰る日程が2日後になりました。しかし、仕事仲間は「青ヶ島みたいに遠いところだから仕方ないよねー」と戻れないことを容認し、さらに発注主は追加の宿代も払ってくれました。
今の時代、仮にこうした状況になってもリモートで仕事ができるからそうした交通の便の不便さもOKかな、と割り切ることができるようになったのではないでしょうか。
何はともあれ、各自治体が観光客や移住者を呼び込みたいのであれば、交通の便については「最も早い行き方」に加え「時間はかかるけど楽しい行き方」の両方を開示する必要があると思います。
ちなみに佐賀ですが、佐賀空港を利用すれば最初の24時間、レンタカー利用料が1000円というサービスがあります。恐らく佐賀県としても福岡空港よりも県西側(唐津・伊万里・有田等)へのアクセスは悪いことを理解したうえでの方策でしょう。現在私が佐賀への旅行を計画する人に助言する際は、この件についても伝えるようにしています。