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2024/01/29

NONA REEVESが唐津にやってくる!

中川淳一郎

都会に住んでいると、世界各国のアーティストがライブを行い、それに参加できます。しかしながら、地方にいると、やはり人口の少なさから行けないことが多い。近い大都市に行くしかないです。そんな状況ではありますが、メジャーバンド・NONA REEVESが人口約12万人の佐賀県唐津市で2月9日、ライブを開催することになりました。

 

私が同バンドのボーカル・西寺郷太さんに「今度唐津でライブをやってくださいよ!」と久々の再会の際にお願いしたところ「2月10日・11日と福岡・天神、北九州市・小倉でライブをやるのでその前日、唐津でやります」との返事をいただき実施が決定しました。

 

虹の松原ホテルThe Beachで19時開場・19時30分開演で行われますが、私としても「まさかNONA REEVESが唐津に来てくれるとは……」という驚きがあったうえで、運営の手伝いをしています。

 

ここでは西寺さんに「ミュージシャンと地方振興」という話でお話を伺いましたので報告します。今回のライブはNONA REEVESNEVER ENDING HIGHWAY TOUR 2024with KOJI HAYASHと題され、全国各地を周ります。ライブといえば人口の多い大都市でやることが多いですが、人口約8万人・宮城県名取市でも行うほか、唐津でも実施します。「地方都市と音楽」について西寺さんに話を聞きました。

https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/02wijd1gr9g31.html

 

――今回全国各地を周ることになりましたが、コアファンがいる都会ではなく、地方を周ることはアーティストにとってどのような利点があるのでしょうか。

 

西寺:コロナ禍突入の2020年3月にも3人のメンバーとマネージャーで、東北や中国地方のカフェや小さなライヴハウスを回る企画があり、チケットも売り切れていました。それが延期、中止になって以来、4年ぶりの東京、横浜、大阪以外のツアーとなります。

 

バンドマンは土地土地の美味しい居酒屋や食事などが好きなタイプが多く、現場で会うたびに全国の名店の情報を伝えあったりしています。なので、僕ら自身にとっても今回の九州含めた全国ツアーは「旅」の醍醐味、現地の音楽仲間やスタッフとのつながりであったり食べ物やお酒含めた楽しみな計画なんです。

 

――こうした活動により、地方に何がもたらされると思いますか? お金の循環、あとは刺激を受ける、とかあると思いますが、他に地方活性化にとって音楽・メジャーバンドがその土地にもたらすものは何でしょうか?

 

西寺:僕らのバンドは東京近郊や大阪などの都市部のファンが多いのですが、彼ら、彼女たちにとってもノーナのツアーを良いきっかけとして、その土地を友達と訪ね、美味しいお店で飲んだり話したりして泊まって帰ってくる、というすべてが思い出になっているのではと思います。

 

もちろん、現地の方々にとっては遠い街に行くよりハードルはグッと下がるので特に若いファンなども来やすいはず。ネットやスマートフォンの浸透で、生活の不便や娯楽の街による格差は昔よりは無くなっていますが、刺激的で「実際に」体感できる文化、音楽やイベントが増えることは良いことかと思います。

 

――音楽が地方活性化のためにできることはどんなものがあると思いますか?

 

西寺:NONA REEVESのドラマー・小松シゲルの出身地、長野県の飯山市では夏から秋にかけて「信州いいやまノーナ・フェス」というフェスをここしばらく開催していますが、全国のファンにとってもう一つの故郷のような存在になっています。小松シゲルの幼馴染も今や、飲食店やさまざまな業種につき、地元の仲間で繋がっているので本当に助けてもらっています。

 

彼らにとっても年一回のお祭りで東京のミュージシャン達が来るのを楽しみにしてくれています。僕も今年、飯山市にふるさと納税しました(笑)。自分の出身地、京都でも老舗の「磔磔」でイベントを始めています。「NODE」という素敵なホテルが協力してくださり、メンバー達はそこで宿泊し、Instagramに部屋の様子をアップしたりもしました。

 

もうひとつもまたコロナ禍前(2020年初頭まで)の仕事なのですが、北海道の利尻島に長寿で元気なお爺さん3人組(当時94歳、80歳、81歳)がヒップホップグループを結成し、SNSやメディアで観光キャンペーンを展開するという企画がありました。僕が曲を作り、現地にも行き一緒に撮影などをして北海道のメディア中心に「利尻島」のイメージを上げることに成功したと思います。

 

数年間、町長とも協力して活動していたのですが、「利尻にカモン!」という曲を発表した瞬間、コロナで「STAY HOME」となってしまい、そこから動けず残念でした。とはいえ、音楽や動画と組み合わせた知名度や浸透度のアップは必ず効果があると思いますし、ミュージシャン達にとっても新たな出会いや刺激が楽しいものとなっています。

 

 

――今回初めて行く土地もありますが、それらの土地に期待することは何でしょうか?

 

西寺:始めて伺うのは佐賀県の唐津ですね。僕は京都出身で、中学校の修学旅行は熊本の阿蘇山でした。バンドのメンバーはサポート・ミュージシャンなどの仕事で九州を訪れているのですが、僕はその後、福岡ばかりで。福岡も大好きなのですが、今回、中川さんが佐賀に移住され、久しぶりにお会いできたことで呼んでもらえてめちゃくちゃ嬉しいです。

 

元々、福岡と小倉が決まっていて、その前日に唐津に行けることとなり、再会からトントン拍子で進んだんです。特に、唐津は音楽文化が根付いているとのことで、これからの関係性も楽しみです。

 

そして、千葉の本八幡のライヴハウスは、ベースで参加してくれる TRICERATOPS の林幸治君が高校生の時初めてライヴをした場所らしく、僕らも行ったことがないです。東京の町田もそうなんですが、関東でもそこそこの距離があり、沢山の人が住んでいる街で演奏したことのない場所はいっぱいあります。ライヴで色んな街を回るのが本当に楽しみです。

 

 

【NONA REEVES Profile】

シンガー・西寺郷太、ドラマー・小松シゲル、ギタリスト・奥田健介の3人が早稲田大学の音楽サークルで出会う。1997年11月、ワーナーミュージック・ジャパンからメジャー・デビュー。ソウル、ファンク、80’sポップスなどに影響を受けた独自の音楽スタイルで、確かな支持を集めてきた。現在ではメンバーそれぞれがバンド外でも活躍。西寺郷太は音楽プロデューサー、作詞作曲家、執筆家として。奥田健介は作曲家、及びレキシや坂本真綾などのギタリストとして。小松シゲルは佐野元春 & THE COYOTE BAND、ORIGINAL LOVE、YUKI などのサポート・ドラマーとして活動。

NONA REEVES Official Website

中川淳一郎

1973年東京都立川市出身。1997年に博報堂に入社し、CC局(現PR局)に配属される。2001年に退社し無職を経てフリーライターに。以後、雑誌テレビブロスの編集を経て2006年からネットニュース編集者に。2020年8月31日をもって「セミリタイア」をし、11月1日から佐賀県唐津市に引っ越す。2023年2月いったん唐津市を離れ、現在タイ・バンコクにてひっそりと暮らしている。

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