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2024/02/07

お土産について

中川淳一郎

旅に出ると悩むのが、お土産です。旅に出ることを地元の人や知人に伝えると、多少なりともお土産を期待されるもの。そこで「定番過ぎるもの」を渡すと若干残念がられることがあります。もちろん具体例は挙げませんが、今回東京に出張で行った時、私の地元・唐津の人に喜ばれたおみやげを二つ挙げます。

 

一つは人形町「重盛永信堂」の「つぼ焼き」です。この店は「人形焼」や「ゼイタク煎餅」が非常に人気ですが、私自身は「つぼ焼」が看板商品の人形焼と比較して大きいことなど、その他複合要因を考えてこれを買いました。人形焼の別バージョンといえるでしょう。

 

元々アンコが好きだという唐津の知人がいたのですが、彼女は「つぼ焼き」を喜ぶことが分かっていたため、買って渡したら、たいそう喜んでくれました。「人形焼」は東京で過ごした人間以外は名前は知っているものの、あまりピンとこない。

 

イメージはできる中、そんな中、壺の形をした人形焼風スイーツである「つぼ焼」を渡す時に「人形焼の店の大きいバージョンです」と言ったら喜んでもらえました。この時は東京での飲み会でお会いした方々にも「つぼ焼」を渡したのですが、「人形焼は知ってますが、これは知りませんでした!」と喜んでもらえました。この方々は人形町に今後行きたくなることでしょう。

 

 

そして、崎陽軒のシウマイです。唐津でお世話になっている方のうち、2人に何かお土産を買って帰ろうとしました。東京名物は多数あるものの、一体何がいいかと考えた時、羽田空港でも売っている崎陽軒のシウマイがいいと決定。

 

安易に甘いものを買うのではなく、「崎陽軒のシウマイ」という決め打ちでまずは唐津から出たことがないAさんに「お子さんも多いから崎陽軒のシウマイ、3箱買っていきましょうか?」と聞きます。すると「よかですか!? 食べたことがないですが楽しみです!」と言われ、買いました。

 

もう一人は神奈川県在住経験があるBさん。同氏に電話すると「うわー、懐かしい! もし買ってきてもらえたら嬉しいです!」と返事をもらえました。結果的に両方から「崎陽軒のシウマイを家族で堪能しました」という連絡がありましたが、とある土地のお土産を渡してその土地に興味を持ってもらう方法は3つあるな、と分かりました。

 

【1】とにかくその人が好きな食材でその土地の最高のものを渡す

【2】有名であることは知っているものの、食べたことがないから興味を示す

【3】有名なもの、かつて食べたことがあるものへの哀愁の念を抱いてもらえる

 

今回の「重盛永信堂つぼ焼」と「崎陽軒のシウマイ」の件は、お土産をいかに渡すか、ということと、その土地をいかにお土産によって興味を持ってもらえるか、といった示唆を私に対しては示してくれました。

中川淳一郎

1973年東京都立川市出身。1997年に博報堂に入社し、CC局(現PR局)に配属される。2001年に退社し無職を経てフリーライターに。以後、雑誌テレビブロスの編集を経て2006年からネットニュース編集者に。2020年8月31日をもって「セミリタイア」をし、11月1日から佐賀県唐津市に引っ越す。2023年2月いったん唐津市を離れ、現在タイ・バンコクにてひっそりと暮らしている。

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