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2024/02/20

住民がつくる、観光ツアー

中川淳一郎

現在バンコクにいます。日本から知り合いの高齢女性が来て、アユタヤと水上マーケットに行きたいと言う。しかし、その日、私は会議と原稿の締め切りが多数だったため、ツアーを紹介しました。「あら、その発想はなかった!」と言い、すぐにホテルで申し込みをしました。日本語ガイドを頼んだつもりだったものの英語だけだったようですが、非常に楽しめたと言っていました。

 

そんな中、思ったのが旅行業法とかに抵触しない形で各都道府県は様々なツアーを住民から募集し、その人に実際にガイドしてもらう取り組みを積極的に行うといいのでは、ということです。ツアーの申し込みは各市町村が窓口になる。

 

『地球の歩き方』の(東京都)多摩地区版が出版されたことが話題になりましたが、その中でも私が作りたいのが「国分寺・国立・立川1日ツアー」です。多摩民以外の多くにとってJR中央線は吉祥寺(武蔵野市)で終わっていると思います。中野・高円寺・阿佐ヶ谷・荻久保・吉祥寺あたりは中央線文化の文脈で知られているものの、私のような立川出身者からするとその先の方が中央線のイメージが強い。3市にまたがってしまいますが、一つの市単体で1日の観光が成立するというのも珍しいので、都道府県の事業にし、ツアーを提供する住民が研修を受けたうえで責任をもって当日は対応をする。

 

なぜ旅行会社が作るパッケージツアーではなく住民が作るツアーかといえば、地元を知り尽くした人が案内をする方が、良い場所に行けるし、観光客向け以外の飲食店にも行ける。さらには地方であればタクシーに乗らずその人の運転に任せることができます。

 

となれば、その人に会うために別の友人を連れてリピートする人も出るかもしれないわけですね。

 

こうした住民が提供するのは【1】ガイド【2】おススメ飲食店の事前把握と予約(ガイドは食事中は外に出ておく)【3】おススメ土産店の紹介に加え、場所によっては【4】運転、もあるでしょう。地方都市では自動車の運転が必須です。

 

私が上記「国分寺・国立・立川1日ツアー」を実施する場合はこんな感じにします。忌野清志郎さんと作家・山口瞳のファンの方も念頭に置いたものです。移動手段はJR国分寺駅までは各自で、ツアー客が集合したらJR国立駅までは徒歩。国立から立川はJR中央線乗車です。

 

タイトルは「国分寺・国立・立川の一日 日本百名水と忌野清志郎さん『多摩蘭坂』聖地巡礼からの山口瞳さんが『日本で一番美しい大通り』からの買い物・絶品グルメツアー」とします。

 

朝10時、JR国分寺駅集合→殿ヶ谷戸庭園散策→お鷹の道・真姿の池湧水群(日本百名水)へ→国分寺跡地訪問→昼食(府中街道沿いのどこかで)→徒歩でRCサクセッションの名曲『多摩蘭坂』の舞台である「たまらん坂」へ→名建築が多い一橋大学へ→作家・山口瞳さんが「日本で一番美しい大通り」と称した「大学通り」を一旦南下したうえで、反対側へ行き北上してJR国立駅へ→1駅隣の立川駅の伊勢丹等でショッピング→団体のお好みの店まで案内してガイドの役割は終了。

 

この段階で18時30分。ガイドは自分で値段を設定します。私だったら最低5人を案内して一人3000円取りますかね。さらに、都からは数千円の補助金をもらう。ツアー参加者はこのツアーの評価とガイドの評価を公式サイトに書き込む。

 

このようなガイドツアーって今後アリなんじゃないかな、と思うんですよ。何しろ旅行需要は高まるでしょうし、高齢化で自身の地元経験を活かしたい人も出るでしょうし、ご当地アイドルだって何らかの副収入をもらいたいかもしれない。この事業を各地で展開すると旅行のあり様が変わり、地方活性になるのではないでしょうか。

 

ただし、ひたすら自分の自慢話やあまりにもディープ過ぎる歴史を喋り過ぎる人はあまり向いていないかもしれません。あくまでも旅行というものは、仲間同士で楽しくワイワイしたいもの。そこにガイドが首を突っ込み過ぎるのは満足度を下げてしまいます。最近お会いした高齢男性は若い頃のエロ体験を嬉々としてしゃべり続ける人物でした。飲みの席でしたからまぁ、構いませんでしたが、これを今回提案したツアーの形態でやるのはアウトです。

中川淳一郎

1973年東京都立川市出身。1997年に博報堂に入社し、CC局(現PR局)に配属される。2001年に退社し無職を経てフリーライターに。以後、雑誌テレビブロスの編集を経て2006年からネットニュース編集者に。2020年8月31日をもって「セミリタイア」をし、11月1日から佐賀県唐津市に引っ越す。2023年2月いったん唐津市を離れ、現在タイ・バンコクにてひっそりと暮らしている。

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