2024/04/18
「エキスパート」稼働サポートは必要!
先日、唐津の「義経の館」で「縄文式漬物」を作る中川仁さんがやってきて、漬物作り講習を実施しました。私は知人が運営にかかわっていることもあり行ってきたのですが、会場は盛況でした。九州各地から24人が参加しました。覚えている範囲では長崎県長崎市と佐世保市、福岡県北九州市と筑紫野市と糸島市。佐賀県は唐津は当然ながら伊万里市と佐賀市からも受講生はやってきたのです。
中川さんは乳酸菌が身体と心に与える良い影響を話し、「縄文式漬物」をこの5年食べ続けた結果身体が快適な状態になっていると説明します。作り方はシンプルで、まず、塩に10日~2週間ほど漬け、水が出てきていることが確認できたら取り出して糠で漬けるというもの。1ヶ月ぐらいで食べられるようになり、その後味が良くなっていく。
試食もさせてもらいましたが、これはおいしいし、体に良いような気がする。翌日は快便で悪いものが出て行ったように思えます。私は一回食べただけなので、中川さんほどの感覚は抱けていませんが、いいものを食べた翌日は少し健康になるような気がするので、少なくとも精神的には一回食べるだけでも良いこと。
受講生は4kgほどの野菜を漬けていたので、家族の人数にもよりますが、長期間継続的にこの漬物を食べるでしょうし、足りなくなったら追加で作る方法もすでに学習している。こうして健康の和が広がっていく、といった感覚を抱きました。
さて、今回思ったのはこうした各地の人材を遠くに呼ぶ場合の一部費用負担を、国に申請したうえで、公費で賄えないか、ということです。金額は東京でこうした講習会をする場合よりも高いです。理由は往復の交通費と宿泊費がかかるからですね。中川さんの場合、滋賀県ですから往復の交通費は32000円ぐらいで、宿泊費は10000円はかかることでしょう。これを加味すれば今回の受講費は納得のものですした。しかし、地元にはない知恵と知識を地元に還元し、それがひいては国民にとってメリットをもたらすのですから、国が交通費と宿泊費は負担してもいいのでは。
さんざん「GO TOトラベルキャンペーン」ではお金をバラ蒔いたわけですから、こうした知的好奇心を満たせたり、文化的にレベルの高いエンタメを提供できる人を呼ぶ場合は「Inviteエキスパート制度」を作ればいい。今回の場合、唐津に人々が訪れたわけですから、そこでも交通費やお土産代は動いている。受講生は3000円分の無農薬野菜を唐津の農家から購入していたので、ここでも経済活動が展開されている。
今回の件は交通費と宿泊費がなければ、受講生一人あたり2000円ほどは負担が減ったことでしょう。すると、より参加者が増えて経済活動が活性化する。そのエキスパートがその土地を気に入ったらリピートで講師やパフォーマンスをしてくれるかもしれません。
東京の場合、講師やパフォーマーは大勢いるため、宿泊費はかからず、往復の電車代が1000円かからないもの。そのため、安くその催しに参加できるのです。グリーン車やビジネスクラス料金は補助金の対象外で、宿泊費は12000円を超える分は自費、といった条件で「Inviteエキスパート制度」をやればけっこう需要があるようにも思えるんですよね。
エキスパートの中には、ギャラは安くてもいいから地方へ旅行がてら講演・公演をしたいと考える人もいます。私もそうですが、仮に40000円かけて1泊2日、京都へ行きトークイベントを一つするとしましょう。ライブハウスの売り上げの35%がもらえるとした場合、入場料2000円+飲食費で一人平均3000円となり、50人来たらギャラは5万2500円。これで十分満足できます。
しかし交通費と宿泊費が自腹だったらギャラは1万2500円。これはちょっとな……と思います。ライブハウス側がその分をもってくれるとしたら、今度は入場料を4000円にせざるを得ず、客数は35人になるかもしれません。
こうしたことを考えると、エキスパートに対して交通費と宿泊費を補助する国の制度、あったら皆が幸せになると思うんですよね。色々と無駄な補助金のニュースあるじゃないですか。不正に受給していた者も含めて。そうしたニュースを見る度に、本稿のようなことを考えるのでした。