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2022/06/20

唐津に住んでいてよかった

中川淳一郎

中川淳一郎佐賀唐津

私が東京都渋谷区から佐賀県唐津市に移住をし、まもなく丸1年7ヶ月になろうとしています。意外と早かったな、という感覚がありますが、それは私がもう48歳だからでしょう。恐らく子供だったらこんなに早く感じてはいないと思います。実に快適な1年7ヶ月でした。それは唐津・佐賀の人々が非常に親切だったからです。

 

活性化のために外からの観光客や移住者を呼びたい自治体は、「政治的雰囲気」「県民性」などは明確にアピールした方がいいです。どことは言いませんが、私は「保守王国」と呼ばれる場所やら「陰湿」などと言われる雰囲気の場所に行こうとは思いません。もちろん、数日間程度の観光であればそこまでは気にしないのですが、何しろコロナによりこの「保守王国」「陰湿」な土地とされる場所のイメージがダダ下がりしてしまい、観光であってももう行きたくなくなってしまったのです。ましてや移住なんてことはあり得ない。

 

各自治体の観光部署の皆様方は、2020年2月以降の自身の県や市町村に関するコロナに関連した報道を見返す必要があると私は感じます。

 

この2年4ヶ月ほど、皆さまの自治体の首長が一体どんな発言をしてきたか? あとは、里帰り出産をしてきた娘さんに対してどんな仕打ちをしたか。帰省者がいる家に「さっさと帰れ」という貼り紙を着けたりもした。他県から来る人に来るな、と言い放ったり、他県のナンバーの車を問題視する知事もいた。中には県境に近いPAで他県ナンバーの車の人を検温し、「来たことを後悔させる」とまで言った知事もいた。

 

正直、人は丁重に扱われたことよりも、悪く扱われたことを思い出すものです。この2年4ヶ月、47都道府県の評価はくっきりと分かれました。評判を落とした都道府県の広報担当者はご自身の場所であることを分かっていることでしょう。

 

そして、この2年4ヶ月の貴殿らの不当な仕打ちについて、私のようなモノカキはいつまでも記録を基に何らかの形で蒸し返し、批判します。

 

これもまた、具体名は挙げませんが、謀県に「医師がいつかない村」として名高い村があります。ここに赴任した医師は地元医療に貢献しようとするも、陰湿な扱いを受け、次々とそれらの医師はその土地を出て行ってしまう。

 

私の知り合いのジャーナリストもこことは別の謀県のとある都市に別荘を買い、東京との二拠点生活を開始しました。しかし、町内会に入ることができず、彼は家から近い場所のゴミ捨て場を使えない。大家さんに相談したところ、その町内会から遠い大家さんの家にゴミを持って行き、捨てて行ってもらっているようです。

 

地方が栄えないのは、結局「よそ者が来た」と考える排他的な人の存在であるということはなんとなく分かっていたのですが、この2年4ヶ月のコロナ騒動で確信となりました。となると、私のような底意地の悪いモノカキは、こうした「排他的な街リスト」みたいなものを作ってしまいます。

 

そうした場所とは一生縁がないから別にそこを批判しても何も痛くもかゆくもない。現在自分がいる唐津市と佐賀県、そしてこれから縁がありそうな場所の人々と仲良くすればいい、といった感覚にしかなりません。

 

たぶん、多くの地方は中央からの地方交付税に頼るしか生き残る術はないです。いくら合併を繰り返しても別に人口密度が上がるわけはない。コロナ騒動は、地元に残る「良心ある人」「将来を考える人」が排他的な人々を諫め、活性化させる最後のチャンスを与えたと考えることもできます。

 

中川淳一郎

1973年東京都立川市出身。1997年に博報堂に入社し、CC局(現PR局)に配属される。2001年に退社し無職を経てフリーライターに。以後、雑誌テレビブロスの編集を経て2006年からネットニュース編集者に。2020年8月31日をもって「セミリタイア」をし、11月1日から佐賀県唐津市に引っ越す。現在はライターに戻りひっそりと暮らしている。

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