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戦う歴史学者平山 優

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2023/03/17

先駆け首長PR

中川淳一郎

新型コロナウイルスに関連し、3月13日に「これまでマスク着用は個々人の任意により着脱を判断していただきましたが、やっぱりこれからも任意判断してください」という形になります。日本には元々法的な着用・着脱の強制はなかったのですが、「やっぱりそんなものはないよ」という形に変化します(って何も変化していません)。

 

そして5月8日にコロナを感染症法の「2類相当」から「5類」に移行させます。これにより特別扱いがなくなるわけです。これまで、コロナに対してはとにかく安全策を取るのがすべての自治体のトップの責務でしたが、ここからはその空気が少しずつ変わってきます。

 

遅かれ早かれ、夏にはかなりの場面で「正常化」になっていることでしょう。暑いのでマスクは自由、邪魔なので各施設のアクリル板やビニールカーテンは撤去といった流れになるもの。だったら、各自治体のトップ――特に知事は今が絶好のPRのチャンスです。以下のような流れが考えられるわけです

 

【1】夏にはどうやってもコロナは終わった空気感になる。もう3年半もやり続けていていい加減国民も飽きている

【2】その空気感を読んでから動いても「その他大勢」にしかならない

【3】だったら夏の観光シーズンを前に、「一抜け」をし「ウェルカム」の姿勢をさっさと見せてしまった方が後々評価が高まる。花見前にはもう桜の名所のPRをしても構わないし、ゴールデンウィークの告知をしても構わない。

 

コロナにおいて、各都道府県の知事は大票田である高齢者層のことを慮り、安全策を打つ例が多数見えました。それらは本当に効果があったのかは検証はされないのですが、時短営業の推進やら、「東京五輪の聖火ランナーは来るな」と言ったり、「我が県に来たことを後悔する」と恫喝したり。

 

コロナの3年間、「やってる感」を出す競争を知事はしたのです。そういったところから「山梨モデル」「大阪モデル」「東京アラート」といった一時期メディアから賞賛されるやり方が生み出されました。各知事は、「コロナ騒動って全国デビューできるいいチャンスじゃないか! これでワシの次の選挙も安泰じゃ!」とばかりに、厳しいコロナ対策を発表した。鳥取県の平井知事なんて「2歳児もマスクを」と言ったんですよ。

 

しかし、このフェーズは終わりました。5月8日までは「いかにしてヨソの人を歓迎するムードを作るか」の競争に入るべきです。ゴールデンウィークもありますし、もう2月の段階から「祝・正常化」を訴え、「マスク自由化」や「我が県ではアクリル板を推奨していない」などと打ち出し「ぜひ、我が県に来てください!」とやったらその知事は賞賛されます。もちろん保守的な人やコロナを恐れる人からは数週間叩かれるかもしれません。しかし、長期的に考えると、絶対に今から3ヶ月は評価爆騰のチャンスです。

 

林修先生じゃありませんが、「脱コロナ宣言を一早く抜け駆けてするのは『今でしょ!』」ですよ。この空気を読んで一旦批判覚悟で抜け出す知事がいたら、その知事は後に高く評価されます。

 

個人的には、これまでの言動から奈良県、宮城県、佐賀県、千葉県の知事が何か仕掛けてきてくれるのでは、と期待しています。そして有権者の皆様におかれましても、知事のこうした英断については次の選挙に再出馬する場合は投票という形で支持を示していただければな、と思います。

中川淳一郎

1973年東京都立川市出身。1997年に博報堂に入社し、CC局(現PR局)に配属される。2001年に退社し無職を経てフリーライターに。以後、雑誌テレビブロスの編集を経て2006年からネットニュース編集者に。2020年8月31日をもって「セミリタイア」をし、11月1日から佐賀県唐津市に引っ越す。2023年2月いったん唐津市を離れ、現在タイ・バンコクにてひっそりと暮らしている。

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