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2022/01/24

Uターンタレントの在り方

中川淳一郎

中川淳一郎

時々「あの人は今…」的な番組がありますよね。あれを見ていると、「実は地元・〇〇県では人気のご当地タレントになっていた」なんてことがあります。山口出身の「ギター侍」として知られる波田陽区さんは、山口と福岡で人気があります。熊本出身のスザンヌさんも、福岡と熊本でローカルタレントとして人気。モーニング娘。初代リーダーの中澤裕子さんも福岡で人気があります。

 

東京の競争が激しい場所で厳しい勝負をするよりも、ギャラは安くなるでしょうが、地元で圧勝できるような人生を「Uターンタレント」はできると考えています。そして私がいる佐賀県ですが、『佐賀県』の歌で知られるはなわさんが大人気です。何しろ2021年のNHK佐賀放送局開局80周年キャンペーンソング『さが さが さが』を歌う大役を任されるほか、地元ローカル局の佐賀テレビ(フジテレビ系)にも頻繁に出演している。現在の居住地は埼玉県のようですが、頻繁に佐賀にやってきて仕事をしています。

 

はなわさんのブログで「唐津」と検索すると「うまかもん市場さんの秋の大収穫祭に、今年も呼んで頂きました」「俺は昨日、佐賀のボートレースからつの舞台でライブをやらせて頂きました」などとあります。「佐賀」と入れるとかなり多数ヒットします。それだけお呼びがかかるのです。

 

正直、こちらにいると「日本有数の人気タレントははなわ」といった感覚になることもあります。あとは、佐賀市出身の中越典子さんがWEBドラマ『人生投資案内人 林田唯』の主演を務めていますが、制作発表会見の様子が佐賀新聞に大きく取り上げられる。

 

 


はなわさんが弟のナイツ・塙直之さんと訪れた唐津のシンボル・唐津城

 

 

一度東京でブレイクし、全国的な知名度を誇った芸能人は、東京でやり切ったと感じられる場合は地元に戻ると快適に過ごせるのではないでしょうか。佐賀の場合、他には江頭2:50さんもいますが、YouTubeの撮影で佐賀・唐津他に来た時は大騒ぎでした。自身の「えがちゃんねる」でも登場し、佐賀県庁のチャンネルでも江頭さんは登場。県庁の人と話をしたら、「佐賀をPRする人材として、出身芸能人の存在は重要」と言っていたため、これは知名度の低い県では共通認識なのではないでしょうか。

 

もちろん、東京・大阪レベルであれば、出身も何もないでしょうが、福岡という巨大都市であっても前述のようにご当地タレントは存在する。北海道では大泉洋さんが大人気でしたが、東京に「逆進出」する形で全国的な知名度を獲得しました。

 

というわけですので、最近東京のテレビ番組であまり見かけないような一度でも名を全国区にした芸能人には積極的にUターンのオファーをしてもいいかもしれません。地元の有力企業がスポンサーになるなどすればそれ程不満のない収入を得られるかもしれません。

 

 


はなわさんが仕事で訪れた唐津ボートレース場

 

 

あと、重要なのが移住した芸能人です。パリコレモデルの林マヤさんは茨城、女優の工藤夕貴さんは静岡に移住しましたが、移住関連の取材なども受けてくれ、地元のことを気に入っている様子を語っています。そんなわけなので、移住組とUターン組、両方を把握していることが大事でしょう。何しろ「完全に公の場に出たくない」というわけではないので。私がかかわっていたネットニュースの世界でも、Uターンした人・移住した人の記事PVは高い。

 

もちろん生活の基盤が東京にある場合は引っ越しは大変でしょうが、交通網が発達した日本、「二拠点生活」でも仕事はできるでしょうから、自治体やローカル局はダメ元で出身者や移住者に仕事のオファーをしてみてはいかがでしょうか。本人も、県民も、そして仕事を出す側も皆幸せになるのでは。

中川淳一郎

1973年東京都立川市出身。1997年に博報堂に入社し、CC局(現PR局)に配属される。2001年に退社し無職を経てフリーライターに。以後、雑誌テレビブロスの編集を経て2006年からネットニュース編集者に。2020年8月31日をもって「セミリタイア」をし、11月1日から佐賀県唐津市に引っ越す。2023年2月いったん唐津市を離れ、現在タイ・バンコクにてひっそりと暮らしている。

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