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2023/02/08

地方空港について考察する

中川淳一郎

地方空港については色々と言いたいことがあります。元々茨城空港は「Tokyo Ibaraki International Airport」という名前にされそうでした。訳せば「東京茨城国際空港」であり、海外からの利用者からすれば「東京に近いんだな」と思いますが、正直東京都民である時間が長かった私のような人間からすれば、銀座まで97kmもある茨城は遠すぎる。

 

「よくもそんな名前を検討したな……」と思ったものです。

 

成田空港はNarita International Airportです。元々「新東京国際空港」と呼ばれることもあったわけで、「東京における国際空港」的な売り出し方をしたかったのでしょう。ただ、リムジンバスや京成スカイライナー、成田エクスプレスなど、東京まで短時間で行ける交通手段があることから成田のことを東京の玄関口と捉えることもやぶさかではない、という考えが浸透しました。

 

ほか、千葉県は浦安市のディズニーランドのことを「東京ディズニーランド」と呼んだ経緯があります。別に「千葉空港」でも「千葉ディズニーランド」や「ディズニーランド日本」でもいいのに……と思いましたが、千葉であれば東京圏であるので「東京」を名乗るはそこまで違和感はない。しかし、茨城が「東京」を名乗るのはさすがに違うと思います。

 

日本各地の空港は、利便性の良さをウリにしています。しかし、空港利用を推進したいあまり、結局利用者の満足度を下げてしまうことがあるのでは、と思うことが多いのも事実。実名は出さないようにしますが、その中核都市の名前を関した空港が都市部から遠過ぎることって多すぎるんですよ。

 

「だったら新幹線で来れば良かった……」みたいなこともあるわけで、各自治体は空港から主要な場所へのアクセスに関し、真実の情報を出すべきだと思います。「〇〇空港」という名前があるがために、その県へ行くのに一番便利なのかなと思ったら全然そうではなかった……といったことは、よく聞きます。

 

イメージ的には「ここが一番近いのでは」と思っても実際は別の空港からの鉄道や高速バスの方が圧倒的にアクセスがいいことがあるんですよね。これはイメージ戦略が一回だけは成功しただけの話で、後で詳しく聞くと「えぇ? そっちの方が良かったの!」となるわけです。

 

しかも、地方空港というものは、特定のエアラインしか発着しないことも多いわけで、そのエアラインの中にはLCCがない。となれば、そこそこ高い金額を払い飛行機に乗るも、結局その後のアクセスが悪い――なんてこともあるわけです。

 

もちろんマイレージがあるからこの空港を使っても私は得することができる、といった方もいるでしょう。それはいいです。しかし、初めて行く場合は、キチンと最も安いエアラインとその飛行機が到着する空港からの最終目的地へのアクセスも考えて交通手段を考えるべきです。

 

そして、各自治体は、正直にその空港のメリット・デメリットを発信すべきではないでしょうか。

中川淳一郎

1973年東京都立川市出身。1997年に博報堂に入社し、CC局(現PR局)に配属される。2001年に退社し無職を経てフリーライターに。以後、雑誌テレビブロスの編集を経て2006年からネットニュース編集者に。2020年8月31日をもって「セミリタイア」をし、11月1日から佐賀県唐津市に引っ越す。2023年2月いったん唐津市を離れ、現在タイ・バンコクにてひっそりと暮らしている。

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